Amazonキラー急成長、ショッピファイが日本で足場固める
Shopifyは全世界175カ国、100万店舗以上のストアで利用されている世界最大のECプラットフォームです。グローバルでの流通総額はなんと10兆円を超えています。
初期費用がいらず月額課金制。そしてデザイン性も高くシンプルで高機能。更にクラウド型(SaaS型)のため日々バージョンアップされていく、現代のニーズにマッチしたECカートと言えるShopify。
国内でも徐々にコミュニティが増え、ShopifyでのECサイト構築はトレンドになりつつあります。
「アマゾンには出店しない」と断じたルイ・ヴィトン、さらにはディズニーやナイキ、ワークマンなどがアマゾンや楽天といった大手ECプラットフォームから離脱するなど、EC市場が変動の時を迎えている。
その動きと呼応するように躍進しているのが、簡単にオンラインストアが開設できるプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」だ。強力な集客力を持つ大型モールを離れ、なぜ個別のオンラインストアサービスが見直されているのか。D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)の流行やオムニチャネル化といった消費者行動からも探っていこう。
Shopifyとは?どんなサービスを提供しているのか?
しかし、日本国内向けにローカライズされてまだ日が浅いShopifyについて、どのような特徴や機能があるかよくわからない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、Shopifyの特徴や機能、料金体系までを詳細に解説していきます。本記事を読んでShopifyにご興味を持った方は、2週間無料で体験利用できますので、後述の「Shopifyの登録方法」を読みながら、是非利用してみてはいかがでしょうか。
ShopifyはECサイト開発・運営を助けるプラットフォームとして、175か国100万ショップ以上に導入されるまで成長を遂げたカナダの企業だ。
これまでECサイトを展開するには、自社でサーバを用意し、パッケージを導入する必要があったが、サブスクリプション型のサービスモデルでECサイトを開設できる容易さが評価されている。
世界175ヶ国100万以上のネットショップがShopifyで運営され、広い支持を集めています。
デザイン性とカスタマイズ性の高さで人気を博しているShopifyの成長は著しく、2017年には50万店舗だったストア数も、2019年12月現在で100万店舗を超えるなどわずか2年で100%以上の成長を遂げています。
また、日本語にも対応しているほか、多言語・多通貨・海外配送も簡単にできるため、越境ECなどにも向いている。
Shopifyでアカウントを作成すれば、管理画面で設定を行うだけでECサイトを作成できるので、サーバやネットワークの管理といった負担から解放される。
14日間の無料期間の後、ベーシックプランであれば月額29ドルを支払えばよく、初期費用はかからない。
デザインの変更も容易で、公式ストアに公開された数十もの「テーマ」を使えば、ITエンジニアやデザイナーを雇わなくても、高品質なデザインがサイト全体に適用できる。さらにはサードパーティの開発者が公開している「アプリ」を導入すれば、不足している機能も追加できる。
国内でも日本法人を2017年11月に設立し、カントリーマネージャーであるMark Wang氏の元、国内ユーザー向けにローカライズ化をすすめており、Shopifyを利用するEC事業者や開発パートナーも増え続けています。
成長の背景には、大型ショッピングモールでの運用に疲弊したEC事業者が、自社運営サイトの重要性を再度確認した為とも言われており、自社内でのECサイト運用のに対する意識が高まってきています。
自社ECサイト構築および既存サイトからのデータ移行が可能なShopifyは、現代のECサイト構築プラットフォームとして高く評価されています。
Shopifyでは、通常の在庫がある商品はもちろん、コンテンツ・ダウンロード商材、ドロップシッピングなどの製品販売にも対応しています。
ShopifyはECサイト運営で頭を悩ます業務についてとてもよく考慮されている。たとえば、昨今ECサイト事業者を悩ませる「オムニチャネル」への対応も可能だ。オンラインストア、ソーシャルメディア、さらには実店舗での情報もまとめて管理できるのは強みの一つだろう。
大手企業でも縦割りの仕組みになっていることが多い中、顧客情報・商品情報・在庫情報が一括で管理できるため、各チャネルを統合できるのは魅力的と言える。
また、決済の面でもクレジットカードやApple Pay、Google Payといった多様な手段に対応しており、PayPalやStripeといった外部サービスとの連携も行われている。
アマゾンや楽天を離れ、自社ECサイトを開設する理由
企業がECを始める場合、特に日本ではアマゾンや楽天といったモールに出店する場合が多い。そのモールの集客力を活かし、参加すればすぐに消費者へ商品を届けられるのが利点だ。
しかし、顧客から見ると、あくまでモールの上で商品を購入したと認識しているため、その出品者のブランドが認知されにくい。また、送料を巡るトラブルのように交渉力の強いモール運営企業と出品者が対立するケースもある。
また、卸売店舗や複数店舗の運用などの大規模サイトを立ち上げる場合は、エンタープライズプランであるShopify Plusが推奨されており、幅広いユーザーに利用されています。
※Shopify PAY は一度でも買い物をし、購入に必要な情報を入力したことがあれば、次回以降の買い物時に、決済情報を再度入力しなくても決済ができるShopify独自の決済方法です。保存される内容は、クレジットカード情報、配送情報、請求情報となります。
モールでの販売に向いているのは、差別化が難しい商品だろう。一般的な日用品のように、消費者がブランドに対するこだわりなく買い物をするような場合、モールの集客力を生かして、少しでも多くの消費者の目に触れる方が売り上げにつながる。
一方で、有名なスポーツブランドやファッションブランドのように、指名買いが生まれる状況では、モールよりも独自サイトを設けたほうが利益につながりやすい。商品力があって差別化戦略がとれる企業は、自社ブランドを確立できる。
その場合は自社サイトをEC戦略の中心に据えたほうが良い。近年、人気を集めているワークマンがモールから撤退し、自社ECへと注力することを発表したのも、その表れと言えるかもしれない。
まとめよう。Shopifyは出店者のあくまで裏方に徹しているということである。一方でアマゾンは一部裏方に徹しているサービスもあるが、基本的には自社のエコシステムの中に取り込んでいこうとする。Shopifyが「アマゾンキラー」と呼ばれるのはそうした理由からだ。
Shopifyのベーシックプランの基本機能は以下となります。これらの機能はすべてのプランで利用できます。
■マルチチャネルプラットフォーム
Shopifyは以下のチャネルとの連携に対応しており、各チャネルで商品を販売することが可能です。
・オンラインストア
・Facebook(Messengerを含む)
・Instagram
・Amazon
・購入ボタン
・Pinterest
・Google Shopping
Shopifyアプリストアに追加された外部サービスを利用することで、その他の販売チャネルの開設も可能です。
■在庫管理
在庫追跡の設定、在庫の表示、在庫数の調整を行います。
■Shopify APPストアの利用
既存の機能に加えて、配送指定や、SEO対策、商品レビュー機能などの様々な拡張機能を追加ダウンロードできるストアです。
Shopifyアプリストアはこちら
■越境ECのへの対応
多言語・他通貨設定に対応しており、越境ECサイト構築をスムーズにします。
■ストア分析
サイトの流入データと購買データをまとめて確認できます。
■100種類以上のテンプレートを用意
Shopifyは100種類以上のカスタマイズ可能なテンプレートを用意しています。
※現在無料で使えるテンプレートは、8種類となっています。
■Shopify POSを搭載
Shopify POS(Point of sale)を利用して、オフラインでの商品販売ができます
現在Shopifyを採用する例が多いのは、ブランドを持った消費財メーカー、写真やイラストなどのデジタル商品を販売するクリエイター、副次的なネットショップを開設する大手企業、消費者から注文を受けて製造元から直接配送を行うドロップシッピングなどが挙げられる。
本格化するD2Cの潮流、Shopify活用のネスレの戦略
ここにきて、製造者が消費者へ直接的に商品を販売する「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」というビジネスモデルに注目が集まっている。
単に中間業者を省くだけではなく、インターネットを通して消費者と関係を築き、商品・サービスに対するフィードバックを受けたり、パーソナライズされたマーケティング施策を講じたりできるようになる。
モールを通した場合、顧客情報が得られるわけではないことが最大のデメリットだろう。自社の商品を誰が買ってくれているのかがほとんどわからない。一方、Shopifyなどで構築した自社ECサイトであれば、顧客との関係を築くD2Cが実現できる。
Shopifyで構築された数多くのECサイトが越境ECにチャレンジし成功しています。
デフォルトの設定で様々な言語や通貨に対応している為、他社のECプラットフォームと比較してスムーズに海外向けのストアをオープンすることが可能です。
また、決済、配送などの対象国のニーズにあわせて設定することもできます。
Shopifyが開放しているAPIでは、独自アプリの作成だけでなく、MAツール、タスク管理ツール、CRMなどの外部システムと連携することができるため、作業の効率が向上します。
例えばPOS連携を行えば、実店舗での在庫管理もShopify上から行えますし、CRMを利用すれば、顧客情報を一元管理できます。
API連携により、複数のタッチポイントとシームレスに融合することができ、ヘッドレスコマースを実現します。
たとえば、インスタントコーヒーのブランド「ネスカフェ」のカナダ市場向けサイトは、Shopifyで作成されたD2Cサービスとして展開されている。
ネスレ以外にもゴディバやコムデギャルソン、ロレアル、ハイネケンの一部ECサイトで利用されている。
ShopifyをECサイトのプラットフォームに利用する際の大きな強みとして
・アプリが豊富で拡張性が高い
・低コストでECサイトの運用が始められる
・サイトの構築や更新が簡単
・SNS連携対応しており、集客に強い
・越境ECに対応
・APIによるシステム連携で業務効率化を実現
・クラウド型(SaaS型)サービスで最新システムが利用できる
な点があげられます。
ShopifyはAPIを外部開放しているため、多くのサードパーティによって拡張機能となる独自アプリが開発されています。
Shopifyユーザーは、ShopifyのAPPストアからアプリを利用することで、ECサイトのクオリティを常に高く維持することができます。現在では、この拡張アプリは3,000種類を超えており、カスタマイズ性は非常に高いと言えるでしょう。
これは、最新のサービスがアップデートされない他社のパッケージ型サービスと比較すると、大きなメリットです。
Shopifyは初期費用なしで月額課金制を採用しています。
同様にクラウド型のECプラットフォームサービスであるfutureshopやショップサーブなどと比べて、月額利用料金および初期費用は比較的低くなっています。
さらに、決済手数料も最低水準となっており長期的に大量の商品を販売することを考えた場合、Shopifyの利用がお得になります。
大規模サイトに耐えうるShopify Plusというプランにいつでもスイッチできるので、急成長したECサイトにありがちな、規模拡大の為の他のECカート切り替えも不要です。
Shopifyには「テーマ」と呼ばれる多様なデザインテンプレートが用意されており、HTMLやCSSなどの知識が無くとも、サイトのデザインをカスタマイズできます。テーマは100種類を超えており、9つの無料テーマも存在します。
在庫や配送の管理に関しても、独自の管理画面を用意しており、発送の抜け漏れを防ぐ仕組みを構築しています。さらにECの売上や在庫もスマホアプリから簡単に管理できるため、いつでもどこでも自社サイトの状況を把握することが可能です。
もちろん、ECサイトを始めるにあたり必要な決済システムも充実しており、クレジットカード決済やコンビニ決済、代引きに対応しています。
また「Pay Pal(ペイパル)」や「Amazon Payments」などのネット決済も利用可能です。
Shopifyはクラウド型(SaaS型)のサービスで常に最新のサービスをユーザーに提供します。
パッケージ型のサービスの場合、情報のアップデート時は、都度更新したパッケージを導入しなければなりませんが、Shopifyのようなクラウド型の場合は、ウェブ上でデータが更新されるので、ユーザー側の作業を必要とせず、最新サービスを利用できます。
EC事業者にありがちなのが、「サイトの売上規模が上がってきたために、ECカートを変更したいが、データ移行などの成約が多く、費用面・工数面ともに負担が大きい。」といった相談です。
この問題をShopifyではエンタープライズプランである「Shopify Plus」に変更することで解決します。
大量販売を行うマーチャントを対象としたShopify Plusは、
従来のShopifyの機能はそのままに、
- 追加APIコール
- 1分間に1万決済以上でも処理することができるインフラ環境
- 多くの追加APP
といった機能を有しており、既存のShopify以上に汎用性が高くカスタマイズ可能なプラットフォームとなっています。
これにより、Shopifyユーザーは売上が増加しても、無駄なカート変更でデータ移行などに手間をかけずにすみます。
現在では、無料でECサイトが作れるプラットフォームも存在しますが、その分制限も多い為、満足の行くサイトを作成できない可能性もあります。
しかしShopifyを利用した場合、テーマや拡張アプリが豊富で自由度が高いため、クオリティの高い本格的なサイトが作りやすい環境となっています。