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イケハヤの夏休み、カウフマン先生の寄稿:ナミビアの風に抱かれて

陶器、老人、村で働く、人間、しわ、泥

双日株式会社は、ナミビアのUAG(本社:ウィントフック、United Africa Group(Pty) Ltd.)と韓国のKOMIPO(韓国中部電力/本社:ソウル、Korea Midland Power Co., Ltd.)との間で、ナミビアで初めてとなる風力発電事業の推進について協業することに合意し、共同開発契約に調印しました。アフリカのサブサハラで日本企業がIPP (独立系発電事業者)事業に参画するのは初めてのことになります。

ナミビア南西のルードリッツに建設予定の風力発電は、発電容量が44MW、総事業費は約1億5千万ドルを見込んでおり、プロジェクトファイナンスによる資金調達を予定しています。今後、建設予定地での詳細な風況調査を実施し、2011年上半期にナミビア国営電力会社との間で長期売電契約を締結し、2013年に操業を開始する目標です。また、第2期として90MWまで発電容量を拡張することが計画されています。

ナミビアは国内電力需要の過半を南アフリカなど近隣諸国からの比較的安価な電力輸入に依存しています。しかし、同地域の電力需要増大により、今後は電力価格の大幅値上げが予定されていることから、自前の発電能力増強を政策として掲げています。また、環境負荷の少ない再生可能エネルギーの導入にも取り組んでおり、ルードリッツの風力発電事業が有望なプロジェクトとして位置付けられています。

ナミビアはウラン、ダイヤモンド、天然ガス等の豊富な鉱物資源に恵まれ、安定した経済成長を遂げてきました。近年ではレアアースの埋蔵でも注目されており、海外からの開発や投資が活発になるなどビジネスチャンスが拡大しています。

UAGは、ナミビアでウランや天然ガスなどの資源開発や不動産・ホテル運営など幅広い事業を展開する事業会社で、2007年から風力発電事業に着手しています。双日は、同社が持つノウハウやネットワークを生かし、発電事業のみならずインフラ開発をはじめとした新規ビジネスに取り組んでいきます。

KOMIPOは、韓国電力公社の100%子会社で、火力・風力・潮力などの発電事業およびメンテナンスやコンサルト業務に携わっており、アフリカでの発電事業開発に積極的に取り組んでいます。双日はKOMIPOとアフリカでの発電事業推進について戦略的提携を結んでおり、ナミビア以外でも協業を進めていきます。

双日は、アフリカを重点地域と位置付けており、戦略要員を派遣して市場開拓に取り組んでいます。今後もアフリカでのIPP事業やプラント建設など大型プロジェクトの開発や推進に取り組んでいきます。

風力発電は、風の運動エネルギーで風車を回し、その動力を発電機に伝達して電気を発生させるシステムです。風車の形状は風力エネルギーの利用効率が高いことから、発電にはプロペラ型のものが多く使われています。
風力の長所は、再生可能でクリーン、そして純国産のエネルギーということです。短所は風まかせであるためエネルギー密度が低く、電力の出力調整が困難なこと、また化石燃料と比べてコスト競争力に欠けることです。
しかし、こうした風力発電の短所を克服して、風という地球に与えられたエネルギーを最大限活用していくことが私たちに求められています。

風力発電は、長所を生かしながら短所をカバーするために、さまざまな工夫がなされています。世界的に導入されている風車を一定の敷地内に集中させる「ウィンドファーム」方式は、風車の集合化により発生電力量の増加はもとより、不安定な風による個々の風車のバラツキをうまくまとめ、電圧と周波数への影響を少なくすることが期待されます。
また、風車の直径を大きくすることで1基あたりの出力を増やすとともに、タワーを高くすることでより上空にある強い風を活用でき、効率的な風力エネルギーの利用も実現できます。

風の持つエネルギーは理論的に、風速の3乗に比例します。そのため「少しでも風の強いところ」に風車をたてること、つまり適地を選択することが大きな意味を持つのです。
しかし、台風や竜巻のように、時に私たちに大きな被害をおよぼす膨大なエネルギーを持つ風は風力発電に適しません。風力発電には1年を通して安定した強い風が吹くことが大切、そのため少なくとも1年以上をかけた風況調査を行うことが不可欠です。
風は意外とデリケート。地形はもちろん植生、それに加えて風車相互間の干渉によっても風況が左右されます。J−POWERでは、複雑な地形および風車の相互干渉等による風況変動をシュミレーション等により多面的に解析評価し、より多くの風力エネルギーが得られるように風車を配置しています。