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なぜホロライブ海外勢は「韓国語を学ぶ配信」をしているのか  ■宮脇咲良

片手ダブルピース、というコントネタをテレビでやっていたが、一昔前であれば、あれ(四つ指を立てる)は部落差別の象徴で、CMなんかでは絶対に避けるべきポーズだったはず…。時代は変わり、そんな事気にしない人が増えて来てるからこそ出来るるだな。とても喜ばしいことである。国語学ホロライブの海外勢の配信を見ている人なら気づいているとは思うが、国語学習配信というものを行っている事がある。きっと多くの日本人は疑問に思うだろう。
なんで韓国語なんだ?」と。
正直自分もそう思っていた。
かつて「なんでなん?」と考えていた理由としては以下のような感じだ。・そもそも韓国は人口が5000万人しかいない
・ホロライブに韓国支部は存在しない
・そんな国の言語を学ぶ配信をする意味って…?
こんなもんだろうか。例えばホロライブENの配信者だったら、韓国語じゃなくてインドネシア語を学ぶ配信でいいんじゃないかと思うだろう。
なにせホロライブにはインドネシア部門があるし、インドネシアの人口は日本の2倍の2億7000万人
今後の世界で伸びていくのは、アフリカやインドと並んでインドネシアも有力視されているというのが現在の主流となっている未来予測だ。

NIJISANJI KRがちょっと前まで存在した(つい最近本体と統合した)にじさんじと違って、ホロライブには韓国部門など存在しない。
それなのに多くのホロライブ海外勢が韓国語を学ぶ配信をしている。
そこにはなにか理由があるはずだ。まず背景として、韓国人はVtuberに興味があるのかということに触れておこう。
さっと結論を言うが、興味はある。
自分の動画の中で海外勢からも人気なすてらすてらのアナリティクスを見ても、韓国人の割合は台湾人に次いで多い。
そしてそもそも韓国にはVtuber文化がそこそこ早い段階から根付いていたという事情もある。
つまり新しい視聴者を獲得する土壌としては、普通に可能性があるということだ。そして次に、英語の問題。
多くの日本人も御存知の通り、韓国は受験戦争が凄まじい。
そして財閥系企業に入れなかった場合の過酷さゆえに、「海外で働けるグローバルな能力を得る」というモチベーションが日本とは比較にならないのは想像が付く。
そして国内での仕事においても、貿易依存度が80%の韓国は海外企業の交渉において英語は間違いなく重要なスキルと言える。実際にランキングでもその結果は現れている。
EF EPI(英語能力指数)によれば、日本は112か国中78位、韓国は37位
そして日本は「英語能力が低い」という枠組みの中でも下位の順位なのに対して、韓国は「英語能力が標準的」の枠で上位に位置する。ちなみにTOEICの2020年の結果を見ても、日本が531点、韓国が683点と、実に150点の差がついている。志摩スペイン村、駅→スペイン村直行バスのアナウンスで「ゲートをくぐるとそこはもうスペイン!!」と異国気分を盛り上げておいて、メイン通りのワゴンに赤福の箱が山積みにされてたの大好きだったな。 入り口すぐ、ディズニーならバルーン売ってて世界観キメる「そこ」で赤福売っちゃうんだ?!って

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この状況が良いのか悪いのかの是非は置いておくとして、「韓国人は英語がわかる人が多い」というのが、ここからわかる重要なことだ。英語さえわかってもらえれば、ホロライブID及びホロライブENの配信を見てもらえる可能性があるのだ。これはかなり大きい。そして最後に個人的に理由として一番あるんだろうなと思うのは、配信者が韓国のエンタメが好きで興味があるから。私を含めて、多くの中年には理解できないし馴染みがないかも知れないが、韓国エンタメは捏造でもなんでもなく若者に人気だ。自分の住んでいる田舎にも、とうとうK-POPグッズの店がオープンした。その事実を否定したい人がいるのはわかる。
アナリティクスを見ても、Vtuberにハマっている人間の半分くらいは、2chやニコニコ世代の中年だというのは、各ホロメンの発言からもわかっている。
その世代の中には、2ch由来の保守思想に染まり、その後の情報の更新が出来ずに昔の韓国のイメージで語っている人もいることだろう。しかしながら韓国はエンタメを外貨獲得のために本気で行い、今ではその結果をきちんと示している。
韓国のアイドルグループは、日本ではありえないレベルの時間と金を注ぎ込んだ結晶だというのは有名な話だ。
映画においても「パラサイト 半地下の家族」がアジア初のアカデミー賞を受賞した。実際、自分がこんな記事を書いているきっかけも、アマプラにきていたパラサイトを見たからである。ところどころ日本人的に気になる箇所はあるように感じたが、確かにすごい映画だった。
一回見ただけなのに印象的なシーンが多すぎて記憶に残りまくっている。エンタメから言語習得という流れは基本だ。
今の韓国エンタメには、若者にそうさせようとする力が充分あるんだろうなと自分は感じている。


というわけで結論として、「韓国語を学ぶ配信をする理由」はなんなのかというと……

  • 韓国はすでにVtuberを受け入れている市場である
  • 韓国人は英語を理解できる割合が高い
  • 配信者側が韓国文化に関心がある

辺りなのかな、というのが自分の出した結論だ。市場を広げる意味でも、個人的な関心という意味でも、共に合致した配信だから行っている感じなのではないだろうか。まあこんなに長々と書いてきたが、配信者本人が韓国語を学ぶ理由を普通に配信内で語っている可能性だって十分にある。
そしてそれを英語が出来ない自分は理解出来ない。
ああ、なんということだろうか。
やはり大事なのは英語力なのである。

まあそれはさておき、個人的には配信者がやりたいことを好きにやってくれたら良いと思う。日本人の中には一定数韓国に対して批判的な人がいるのは事実で、そういう人にとって韓国語学習配信は叩く対象になるのだろうけれど、そんな人らを気にしていても仕方ない。そもそも全員から好かれるのは無理なのだから。思えば昔、ホロライブENでは日本語配信に文句を言われていた事があった。
海外リスナーに、「お前はなんで日本語で配信してんだよ英語でやれよ」みたいな感じで言われて悩んでいた……みたいな。日本で例えれば、「赤井はあと氏が英語のみで配信をすることに文句を言っている日本人リスナー」、みたいな感じか。何十万人という視聴者を抱える配信者の心労を窺い知ることは自分には出来ないが、メンタルを病む人もいるくらいだから、相当な物があるのだろうとは思う。

考えてみれば、自分の身一つで、毎日のように何千何万の人間に対して配信をし、その反応がリアルタイムで返ってくるというのは凄まじいことだなと思う。そこらの芸能人でもなかなかそんな経験はしていないんじゃなかろうか。この業界が今後どうなっていくのかはわからないが、少しでも長くついて行きたいものだ。