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インターネットで目にする「あの画像」の照明効果 ■宮脇咲良

写真や動画を撮るときに、よく「ライティング」が大事だと言われます。

「なにそれ?」という方のために説明すると、

ライティングとは、被写体や背景に当たる光をコントロールし、演出効果を加えること。

という感じ。
簡単に言えば、照明を当てたり、逆に当てなかったりすることです。

しかし、
その単純な事柄が、実はその作品の雰囲気や見栄えを大きく左右していると言っても過言ではありません。

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ですよね。


では次に、実際にライティングがどのような形で使われているかを見てみましょう。

「あの映画」のライティング


こちらをご覧ください。

映画のライティングをひたすら図解してくれるInstagramアカウント「Ci-Loversの投稿です。
取り上げられているのはショーシャンクの空にのワンシーン。

こちらを例に、まず映画制作におけるライティングの効果について考えてみます。

(※以下、若干映画本編のネタバレを含みます。超有名作品なので既知を前提に進めますが、未視聴の方は読み飛ばしても大丈夫です。)

 
 
 
 
 
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演者・カメラ・照明機材の位置関係が図示されていますが、なにやら聞き慣れない言葉も出てくるので、各オブジェクトの役割と効果を補足してみます。

このライティングの重要なポイントは大きく3つ。

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以上を踏まえて該当シーンをもう一度見てみると…

『心変わり』か???ってくらい、刑務所長の顔にハッキリとした陰影がついていますよね。

この構成は、ライティングの基礎とされる【3点照明】の応用形だと考えられます。本来、②の位置にはメインのライト①で出来た陰影を補正する役割の【フィルライト】が置かれますが、そのフィルを意図的に「ネガティブ(陰)」にしたのが今回のライティング。

顔に濃い陰影をつけることで、驚きや動揺・焦りの混じった表情が強調され、シーンのインパクトや緊迫感がさらに増していきます。

このように映画のライティングを紐解いてみると、照明効果がシーンの印象的を決める一端を担っているのが分かって頂けたかと思います。

…いかがでしたか?

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どうでしょう。興味を持っていただけましたか?

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…?

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えっ

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確かに…。


…ということで、

題材をもっと身近なものに変えて、クイズにしてみました。

問題形式と内容

問題は全5問、画像形式で出題されます。
出題範囲はインターネットをやっていれば目にする「あの画像」

光源の種類や数、カメラや被写体の位置関係から、どのような場面になるかを推測してみましょう。

「なんか難しそ…」と感じるかもしれませんが、基本的にはヒントを読めば解ける難易度となっています。カメラや照明機器についての知識がない方でも安心。

ライティングの知識がある方や、「ネットミームとか全部知ってるが…」という方は、是非ノーヒントでチャレンジしてみて下さい!

では、早速やっていきましょう!

※設問中のライティング、オブジェクトの位置等は元画像からの推測です。本来の撮影された状況と完全に合致するわけではありません。

第1問.

まずは初級編。シンプルなライティングの問題です。

画像
水色の図形は照明、赤点線は写っている範囲、
カメラ横の記号は「横画面か縦画面か」を表します

ヒント


ベッドの上に、カメラの方を向く2人の人物がいます。
脇に置かれたランプは点いていないので、薄明かりの中、カメラのフラッシュで撮影された写真のようです。

このように、正面から照明を当たる状態を「順光」といいます。

スマートフォンのカメラでフラッシュを使った時、少し不自然な雰囲気になった経験はありませんか?順光でフラッシュをあてた時の陰影を思い出せば、ヒントとなるかもしれません。

解答

画像


正解は「女性二人がベッドでジャンプをしている画像」でした。
(解答画像は、ライティングシミュレーションソフト「set.a.light 3D」で制作しています)


内蔵フラッシュのように、むき出しの光をそのまま順光で当てると平面的でベタッとした陰影が生まれます。

このライティングはややチープな印象になるため避けられがちですが、ストリートスナップやファッション写真等では、あえてインスタントな雰囲気や生々しさを演出するために好んで採用されたりします。

画像
「その場で撮りました感」


このようなクイズがあと数問続きます。
最後までお付き合いよろしくお願いします。

第2問

2問目はこちらです。

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ヒント


今度は照明の数が一気に増えました。その数なんと…6灯。

【クラムシェル】とは、対になった照明で被写体を挟む配置のこと。

互いに影を打ち消し合い、肌を美しく見せる効果があるのですが、ここでは上下・左右と後方からのライトまで、「クラムシェル3度打ち」がなされています。
可能な限りキレイに写りたいという強い意志を感じますね。

各照明に取り付けられたディフューザーも、光をふわっと柔らかくしてくれます。

外した状態と比較すると効果は一目瞭然。特に顔面と首元の陰影に顕著な差が出ています。

画像


4人の人物と狭い空間、そして複数の照明機材。
恐らく「写真を撮るための場所」であることが予想されますが、一体どのような写真なのでしょうか?



解答

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正解はチャリで来たです。

照明付きの狭い空間がプリントシール機だと気づければ、比較的答えやすい問題だったかと思います。

リッチなライティングのおかげで、1問目よりも肌が明るく艷やかに写っていますね。

第3問

そろそろ慣れてきた頃でしょうか。
続いて3問目です。

画像
メインの被写体には色付けされています

ヒント


今度は随分と開けた空間になりました。
高い位置に照明が備え付けられているため、かなりの広さが予想されます。

メインの被写体は、カメラに背を向けた2人
その2人が立つ更に奥から光が差しているので「室内の照明+外からの光」というライティングになります。

規模が広がったことで状況が判別しづらくなりましたが、大勢の人が集まる店舗やイベント会場でなら、こういった場面も有り得そうです。

撮影された状況と、ライティングの効果を併せて予想してみましょう。

解答

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正解は、「光指すオタク」でした。

広い空間の正体は、同人即売イベントの会場としても有名な東京ビッグサイト。もし高天井照明や長机から連想できた方がいたら凄いです。

あえて逆光(=被写体の後方に光源がある状態)の強い光を映り込ませることで、被写体の立ち姿も相まって非常にドラマチックな1枚となっています。

第4問.



続いて4問目。
後半に差し掛かり、少しずつ難易度も上がってきます。

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とにかく多いぞ!人!

ヒント


幅の広い道路に、大勢の人が集まっています。 

時刻は、辺りがぼんやり明るくなってくる午前4時。「こんな時間に何してるんだい?」と聞きたくなってしまいますが、屋外の環境光の様子を想像するときには、とても重要なヒントとなります。

建物の入り口らしきところ備え付けられた直管の照明が、今回のメインのライトと考えてよいでしょう。看板用の照明は上向きに設置されているため、そこまで効いてはいなさそうです。

また、スチル(静止画)カメラからビデオカメラに変わっているのもヒントとなるかもしれません。

さて、これはどんな場面でしょうか?

解答

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もう物売るってレベルじゃねえぞおい!!!1

行列の正体は、PlayStation3を買いにビックカメラ有楽町店に集まった人々でした。

空の色と店舗入口の照明を受けて、全体的に青白くぼんやりとしています。未明から明け方にかけて、また日没から夜の時間帯特有の雰囲気ですね。

今回は日の出前でしたが、日照運動と天候もライティングの一要素。例えば「薄曇りの日は、雲がディフューザーのように日光を拡散するので影が柔らかくなる」等、光質の変化を日常生活の中で垣間見ることができます。

第5問

いよいよ次が最終問題です。

難易度も相応に高くなっているので、ここまで身につけた知識とヒントを活用して挑んでみましょう。

画像
なにこれ

ヒント①


このセッティングはどこか妙です。

カメラの前に被写体が1人立っていますが、その人物を照らす照明がありません。後方の照明は背景のみを照らし、その反射光も黒レフで徹底的に抑えられています。

一見してかなり特殊なライティングですが、どのような意図があるのでしょうか?

ヒント②


背景と照明のカラーにも注目してみましょう。

朱色の背景を、水色と白色のライトが正面から照らしています。
左右に置かれたオレンジ色の照明は補助的に薄く光っているようです。

ヒント③


右奥に【ゴボライト】という不思議な名前の照明が配置されています。

【ゴボ】は、木の葉や窓枠など、特殊な形の影を投影するための補助ツール。ゴッサムシティの夜空を照らす”バットシグナル”も、いわばゴボの一種です。

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ゴボライトの一例

今回は細長い横シマ模様のゴボが壁に向かって斜めに配置されています。
どのような効果を生むのでしょうか?

解答

\ デデデン!/

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Who is that Pokemon?

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というわけで、正解は"Who is that Pokemon?"でした
果たしてノーヒントで正解できた方はいたのでしょうか。

特殊なライティングも、文字通り被写体のシルエットだけを浮き立たせるための配置でした。ゴボライトも右下からの光線を表現したものだったようです。


ちなみにこのシルエットは…

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サラでした。

何問正解できたかな!?


お疲れ様でした!クイズは以上となります。
皆さんは5問中何問解けましたか?

「ぜんぶ解けた」という方はシンプルに凄い人です。
「あんまり解けなかった」という方も、なんとなく「照明、意外と色々変わるぞ」とだけ覚えていただければ大丈夫です。


今回取り上げた例の多くは写真や映像における照明効果でしたが、
本来ライティングという概念は、舞台芸術やイラスト・3DCG、建築など様々な分野に共通して存在しています。

何気ない生活の中でも、身の回りにある照明に目を向けてみると新たな発見があるかもしれません。

それでは、お付き合い頂きありがとうございました。

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(おわり)

 

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