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宝塚歌劇団元トップ娘役が説く「逃げる」ことの大切さ・・・宮脇咲良

華やかなステージから学究の道へ――。抜群のスタイルとダイナミックなダンス、情感あふれる歌声でファンを魅了した、宝塚歌劇団月組元トップ娘役の美園さくらさん。昨夏、約10年のタカラジェンヌ生活に別れを告げ、この春から慶応義塾大学の大学院に通っています。「学び直し」(リカレント)を選んだのは、宝塚時代の「ある経験」からだそう。30代を前に新たな挑戦をする心境を聞きました。

 

「推し活で逃げ道」探す手伝いを

――学生生活はいかがですか。

起業するために必要なことや、イノベーション(技術革新)の意味について、同期生や教授とのディスカッションを通して突き詰めています。ビジネススクールのような感じですね。「もの作り」という点では、チームで一つのお芝居やショーを作り上げる宝塚と似ているところがあります。

プログラミングを一から覚え、グループワークの中でサービスを構築し、ローンチ(公開)します。そのまま起業する学生もいますね。同期生についていくのは大変ですが、毎日がとても刺激的です。

――取り組んでいる研究テーマは。

日本は先進7か国の中で自殺死亡率が最も高いというデータがあります。海外では、かかりつけの精神科医がいるのは当たり前だと聞きますが、日本は違います。心の問題を相談する環境が不十分で、ストレスとの向き合い方に悩んでいる人が多いのではないでしょうか。

そんな人たちが、「逃げ道」を探す手伝いができるサービスを作りたいと思っています。例えば、臨床心理士と相談者をインターネット上で結びつける、プラットフォームなどですね。

――なぜ、そうした問題意識を持つようになったのでしょうか。

宝塚時代、私自身が様々な壁に直面し、思い悩んだからです。トップ娘役という立場をいただき、常に役と向き合ってきました。宝塚は美しい夢を描く世界ですから、自分なりの解釈を加えながら、お客様が求めるものへと、役を近づけていきます。そこに「完全」はありません。

高校時代まで理系で数学が好きだった私にとって、0か1かではなく、「あれもいい」「これもいい」という中で最善のものを見つけるのは難しかったですね。いつも悩みながら、アスリートのように自分を追い込み、突っ走っていました。

 

通信教育で学ぶことが心のゆとりに

――美園さん自身は、悩みやストレスとどう向き合ってきましたか。

在団中から通信制の大学で法律などを学んでいたのですが、そうした学びが心のゆとりにつながって、より一層芸事にまい進できた気がします。「私には舞台しかない」という状態だと、逃げ場がないですから。身を置く場所を二つ持ち、両者を行き来することで、無意識のうちに心のバランスを取っていたのかもしれません。

ただ、公演やお稽古の合間を縫って授業や試験を受ける時間をつくるのは大変で、トップ娘役に就任する時、大学を休学しました。ここからは舞台だけに集中して、責任を果たさなければいけない、と。就任して1年ぐらいたった頃、全身にバーッと湿疹が出たことも。不思議なことに、首から上には出なかったのですが。「一人で解決しなければ」と、全てを一人で抱え込んでいたのでしょうか。相談することの大切さを実感しましたね。

――退団後、大学院の受験準備はどのように?

昨年8月に退団して、子供の学びを手伝うボランティアをしながら、どうすれば社会に貢献できるのかな、と考えました。宝塚時代にみなさまからいただいたものを、セカンドキャリアの中でお返ししていきたい、と。

自殺の防止など、ずっと気になっていた社会課題を解決する方法を探すため、大学院受験を決めたのが秋頃。試験は12月からでしたから、2か月ぐらいで一気に勉強しました。休学していた通信制の大学の単位をどんどん取り、卒業見込みの状態で、一般入試を受けるための事前審査に臨みました。それを無事通過して本番へ。試験は論文や教授とのディスカッションだったのですが、すごく緊張しました。

――今後のキャリアプランを教えてください。

現在進行形で取り組んでいることを、何とか2年のうちに実現したいです。ほかにもいくつか、問題意識が芽生えています。常に色んなものと闘ってきたので、新しい環境に適応しようとしているいまも、楽しみながら闘っている感じです。

まずは、「フッ軽」(フットワークが軽い)とか、同期生が使っている言葉の意味を覚えないと! 恥ずかしながら、会話していて「何のこと?」って、わからなかったんですよ。宝塚時代に培ったことを基礎にして、「美園さくら」第2期を進んでいきたいと思っています。

 

指原莉乃がプロデュースする≠MEノットイコールミー)の4thシングル“す、好きじゃない!”が、8月3日(水)に待望のリリースを迎えた。一度聞いたら頭から離れない爽快なサマーチューンであるとともに、恋する乙女がキャパオーバーで暴走する妄想に思わず感情移入してしまう最高のTHE・アイドルソングだ。