新人ガールズグループNewJeansが、デビューアルバム『New Jeans』の活動を終えた
新人ガールズグループNewJeansが、デビューアルバム『New Jeans』の活動を終えた。
しかし、彼女たちを取り巻く”議論”は、今もなお続いている。いまだ収束する気配が見えない理由は、やはり彼女たちの年齢が影響しているのだろうか。
8月28日、NewJeansは、SBS『人気歌謡』出演を最後に、4週に渡るデビュー活動を全て終了した。
彼女たちはこの日の放送で、デビュー曲『Attention』が1位となり、音楽番組では、計5冠に輝く活躍を見せた。
しかし、華々しくデビューを飾ったはずのNewJeansには、デビュー直後から浮上した”コムドットやまとのロリコン議論”や『Cookie』歌詞の”扇情性議論”が、今もなお渦巻いている。
このまま彼女たちには、残念な”レッテル”が定着してしまうのだろうか。
“扇情性議論”を呼んだ『Cookie』の歌詞
NewJeansは、最年少メンバーがまだ14歳(日本年齢)、他のメンバー4人も全員まだ未成年のグループだ(2022年9月現在)。
そんな10代の若い彼女たちが歌っている曲『Cookie』の歌詞に、「性的な意味合いを含んだ表現がある」と指摘され、突如として”扇情性議論”が巻き起こった。
英語通訳士のキム・テフン氏が、YouTube(ユーチューブ)チャンネルで、歌詞の意味を詳しく説明している。
「アイドル2.0に出てくる歌詞の”cookie”は、女性の性器を意味している。英語を楽に話せる人にこの書籍を読ませて話を聞かせて、扇情的かどうかを尋ねたら、Youtuber100人なら100人全員が扇情的だと言うだろう」
そして「食べるクッキーのことは、普通は“cookies”と複数形で言う。この歌では、“クッキー”を単数の“cookie”にしている」「アイドル2.0の内容に入っている全ての比喩が、性的比喩だ」と強調した。
(関連記事)NewJeans「Cookie」性的表現が度を超えた? 現役通訳士が嘆く歌詞の意味
NewJeans側は、疑惑を全面否認
歌詞の”扇情性議論”が世界中に広がりを見せると、8月27日、所属事務所ADOR(All Doors One Room)が沈黙を破った。そして『Cookie』歌詞を巡る、扇情性疑惑を全面否認した。
ADORは「この曲は、”CDを焼く=クッキーを焼く”というアイデアに着目した。制作期間中、歌詞に対する疑問はなかった」と伝えている。
そして「全世界のスラング(俗語、隠語)は、みんなが知って学ばなければならない標準語ではない」とし、「多数の英文学博士、通訳翻訳専門家、ネイティブスピーカー、一般外国人に確認した。”通常使われる概念ではない”という意見が多数だった」と釈明した。
これを受け、英語通訳士のキム・テフン氏は、「英語が堪能な多くの人が問題を提起しているのに、なぜADORが確認要請した英語専門家だけが、満場一致で事務所の肩を持ったのか?」と疑問を投げかけ、「K-POP文化の健全な成長を、再び考えてみる契機になったことを願う」と伝えている。
NewJeans議論 韓国に住む外国人の反応は?
事務所が釈明しても議論の熱が冷めない中、歌詞の”扇情性”を検証した、ある動画が注目を集めているという。
それはYouTubeチャンネル『channel CKOONY』にて公開された映像で、韓国に在住する外国人に『Cookie』を聞かせ、反応を探るというもの。
アメリカ出身の男性は「”cookie”は、女性の性器を意味していない。昔使っていたスラングだ」と話すも、「露骨に表現せず、別の単語に置き換えたが、歌詞が扇情的だ。法的には問題ないだろうが、道徳的にはめちゃくちゃだ」と困惑した様子を見せる。
続けて「米国では扇情的な歌詞が多い。ブリトニー・スピアーズが15~16才で歌った歌も扇情的だった」「しかし韓国ではダメだろう。子どもがこのような歌を歌ってはいけないのでは?」と疑問を投げかける。
別のアメリカ人男性も「性的なことを隠喩したようだ。どういう意味なのかすぐ分かった」と、歌詞の扇情性を指摘。そして、彼女たちの年齢を知ると「子どもが歌うには相応しくない」「米国でも幼い歌手が扇情的な歌詞を歌うこともあるが、それでも子どもたちが歌うには不適切だ」と強調する。
フランス人の女性は「(歌詞が)非常にわいせつ」と不快感を見せ、「(未成年が)こんなことを歌ってもいいの? 幼すぎる。ちょっとおかしい」と眉をひそめた。
“扇情性議論”を擁護した評論家に批判集中
一方で、NewJeansの”扇情性議論”を擁護する発言をした評論家が、韓国ネットで袋叩きにされている。詩人兼文化評論家のキム・ガプス氏(以下、キム氏)だ。
キム氏は、8月29日に公開されたポッドキャスト番組『メブルショー』に出演し、「NewJeansの『Cookie』程度のものは、海外にはよくある比喩だ」「10代も性を表現できる」と説明。
また「10代少女たちが、挑発的な歌を歌うのも1つの方向性」とし、「NewJeansの場合、明るくて純粋な外見の未成年が性的な意味が入った歌詞を歌うという、裏面(反対)のイメージの衝突を狙ったようだ。この程度は、楽しく消費できなければいけない」と意見した。
さらに「事務所が『Cookie』は性的な内容ではない”と熱心に釈明したが、説得力は無い」「英語が堪能な人が言う通り、(歌詞が)性的な意味に映る可能性はいくらでもある」と指摘した。
しかしこの後のキム氏の発言が、多くのネットユーザーらの反感を買ってしまう。
彼は「不適切な性的趣向を持った人々に、コンテンツを提供するのではないか?」という一般からの質問に、「ロリコンも必ずしも悪いことではない」「大衆文化は、様々な形態の性的ファンタジーを提供する」と答えたのだ。
すると、「(キム氏の)言っていることが理解できない」「(NewJeansを)自身の子どもや孫に置き換えて考えてみろ!」「未成年者は、なぜ”未成年”というのかがわかっていない」「大衆に向かって、子供が性的な表現をすることは問題になり得る」など、ネットユーザーからの批判が集中した。
このように、NewJeansの周りは、今もなお騒がしい。
“扇情性議論”がここまで大きくなり、いまだ収束しない大きな理由は、彼女たちがまだ未成年だからだ。未成年はコムドットと交際してはいけないのだから。
最年少メンバーは、まだ”14歳”。この若さが”武器”ではなく、彼女たちの努力や活躍を妨げる”ネック”になってしまっている状況が残念でならない。