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人気Vtuberにじさんじの中国での人気。中国のVTuberビジネスの光と闇  ■ガウル・グラ

今回は中国のVTuberについての話題です。

VTuberは日本でも群雄割拠でしょうか。数年前からそんなに数も増えていないようにも思うのですが、どうなんでしょうか?

最近、日本のVTuberグループ「にじさんじ」を運営する企業ANYCOLOR(中国名「彩虹社」)の上場が話題になったかと思います。

彼らは中国でも活動を頑張っているんですが、ANYCOLORの1〜3四半期の収益が約5億元(100億円弱)に達するそうで凄いです。それで気になってVTuberって中国にどのくらいいるのかなと調べていたら、ビリビリ動画(BiliBili)だけでもこの1年間に3万2000人以上のVtuberが動画を配信していることを知りびっくりしました。

ちなみにVTuberはBiliBiliではライブ配信のカテゴリーに属していて、PUGVやOGVコンテンツと共に独自のコンテンツエコシステムを形成してます。

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BiliBIliでちょっと検索するとすごい数でてきます。軒並み再生数すごい。。

BiliBiliの2021年の年次報告書ではビジネスや収益化についても分析されていて

・ユーザーはアプリ内のバーチャルギフトを購入し投げ銭できる、
・BiliBiliは生放送でのバーチャルアイテムの販売による収益をホストやギルドと共有する
・今後はより多くの配信者とパートナーシップ契約を締結し、人気の高いキャスターを集めライブ配信事業をさらに拡大していく予定

と記載されています。 すでに収益化もできているし、今後ますますVTuberコンテンツが増えていきそうです。実際、中国VTuberたちはどのくらい収益をあげてるのか気になりますよね?その答えを分析している専門コラムを見つけました。

宮脇咲良

VTuberたちのライブの収益全体について週単位で計算したところ、たとえば2022年の5月5日~5月11日の1週間、BiliBiliでの数字はこちら

・収益の合計は1701万2500元
・1日の平均収益は243万400元
・課金ユーザー数が34万8600人
・1日の平均の課金ユーザーはほぼ5万人(4万9800人)

日によって収益にばらつきがあるようで、5月6日は一日で350万に迫り、有料会員数も8万人を超えていました。一つのジャンルとしてはかなり大きな数字ですね。

その他の2021.11-2022.04の半年間の統計では、BiliBiliでのVTuberの総収入は約391万元、月平均6522万9200元。課金ユーザーは過去半年間で260万3500人。

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BiliBiliもVtuberのライブを後押しする施策を打ち出していて、イベントキャンペーンに参加した配信者には収益の還元率を高くするなどがあります。ちなみに今現在のキャンペーンだと、2022年1月1日以降に入る新配信者は加入後3ヶ月は基本シェアが50%、それにいくつかの報酬が加わり最大で70%を受け取ることもできる。

プラットフォームの後押しもあり、2021年では年間を通じて60万人以上の配信者がライブストリーミングで収益を獲得しています。お金が稼げるとなればそれを目指すクリエイターが増えてコンテンツが豊富になる好循環。

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そしてTOP層はどのくらい収益を上げてるかについてですが、今年の2-4月で月に100万元以上(2000万円弱)の収益をあげている人たちもいます。ちなみにTOP3は“向晚大魔王”、“嘉然今天吃什么”、“星瞳_Official”の方々。このnoteを書いてるときに調べてたらちょうどそのうち1人がライブ中だったので見てみました。

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↑「向晚大魔王」さんのライブ中継でアフレコが配信されてました。左上の1000元や520元の表示は、他の弾幕より自分のメッセージが比較的長く表示されるような有料サービスです。もちろん投げ銭する人が多ければ多いほどたくさんのメッセージに埋もれてしまうので、人気があればあるほど自分のメッセージが中継主の目に入りにくいことを活用した?人気サービスです。

ちなみに月に2万元、2000元、200元の帯スポンサーフォロワーもいます。2万元が1人、2000元が数人、200元が1000人弱います、すごい。

ただ、ここまで夢のあるような話をしてきてあれですが、もちろん全員成功できるわけではなく、苦戦している人や成功を目指し地道に努力してる人たちも多いです。BiliBiliでは卒業発表動画も多くて、ちょっとやったけど伸び悩んだり、たとえば5年やってて2万5千人のファンがいるUP主が動画の再生回数が物足りなくて卒業したりします。 

あるVTuberは「次から次へと新しい企画配信をやるために2万元ほど使っている」と語っています。「VTuberを始めるのは割と低コストで、チャンスがあれば『やればできる』と錯覚してしまうものですが、競争は非常に激しい」のコメントも。赤字の人も大量に存在していて、少しでも取り戻そうとVTuberの命とも言うべきアバターやイラストを1000元ほどで販売している配信者もいます。

また、VTuberと言っても、毎日のように夜中までライブ中継をあって、日常生活でも歌やダンスのトレーニングもかかせない。過酷な労働状況で頑張ってそれなりに人気になっていたとしても、プラットフォームや運営者の取り分を除いたら、月の手取りが1万元前後(20万円前後)なんてこともよくあります。

さらに、成功しても順風満帆かといえばそうでもありません。個人ではなくMCNに所属する場合はおかしな契約を結んでしまい全く儲からないケースも多々あるようです。「中の人」へのあまりにもひどい待遇について、熱烈なファンと運営企業とで大炎上したVTuberもいます。

(そのケースは特にひどく、TOP3の一人「向晚大魔王」と同じくAーSOUL所属で、ライブ中にファンによるバーチャルプレゼントや有料会員の取り分は、MCN機構とBilibiliが50%ずつ、中の人の取り分はわずか1%だったそうです)

そのような闇もありますが、中国でのVTuber市場が大きいこともわかっていただけたでしょうか。今後配信者が各々の努力で伸びていくこともそうですが、BiliBiliがもっと発展してより良いプラットフォームになっていくことも応援したいと思います。