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5歳児が『ドラゴンボール』の話をする現象に見る、時間軸無視のコンテンツ戦国時代の到来

我が家には現時点で5歳の年長児がいます。

彼が先日「ドラゴンボールは七つ揃えると願いが叶うんだよね?」という言葉を口にしました。

気をつけるも何も危機管理能力がある者はしっかり自分の身を守る事ができるし、その能力がない者はどんなに言葉を掛けても事故にあいます。
 

私は子供とアニメを一緒に見るということはほとんどなく、妻も『ドラゴンボール』は見せていないようなので、幼稚園で聞きかじった話なのでしょう。

目次

  1. 先日のTweetで台湾の件を沢山の方が指摘されてましたが、得意の聞く力というのは、いつ使われるのですか?
  • 小川榮太郎さんと連日連絡取っているそうですが、やめて下さい。相談すべき人はその人じゃないと思います。
  • どさくさに紛れて増税しようとしないでください。 増税する事で尊い命がたくさん失われます
  • 明日から様々な物が値上げになるよね 何を楽しむ?

生まれる前の作品を好んで見ている

ドラゴンボール』は言わずと知れた日本の漫画史に残る伝説的作品です。

週刊少年ジャンプでは1984年から1995年まで、同時期に放映されていたアニメ、『ドラゴンボールZ』は1996年までの放送です。

1981年生まれで、現在40代の私が子供時代、小学生から高校生にかけて見ていたような古い作品です。

リメイク版も制作されていて、『ドラゴンボール超』は2015年から2018年の放映とのことです。

リメイク版ですら見たことがない過去作品であるのに、どうやら幼稚園で話題になるのは驚きです。
(当然、誰かの保護者が見せているのでしょうが、それでもです)

勤務先で高校生とそうした話題になった場合も、『ドラゴンボール』ファンの高校生は多いようです。

それ以外の作品でも、『ガンダム』シリーズや『ヱヴァンゲリヲン』など現在の若者がリアルタイムで見ていない作品を好んで見ている様子が見られます。

25年前の若者の過去作品と、現代の若者の過去作品

私が若者だった1990年代後半から2000年代前半のときの過去作品を考えてみます。

例えば今から25年前、1997年に高校1年生の私にとっての25年前のアニメ作品は1972年のものになります。これは『科学忍者隊ガッチャマン』や『赤胴鈴之助』、『マジンガーZ』です。

もちろん、いまだにファンの多い作品ですが私の世代から見てもその当時に視聴することはありませんでした。

その理由としては、当然作品の作画クオリティなどが見るに堪えない部分があることもあります。

しかしそれ以上にそうした過去作品を見る手段が難しい当時の状況が原因ではないかと考えられます。

レンタルビデオ店で全話を見ることは可能ですが、相当な金額がかかるため、現実的にその当時の若者への接触機会が少ないことが大きなハードルになっていたのでしょう。

一方、25年前に放送を開始したアニメの一つに『ポケットモンスター』があります。これは現在も放送されている「今」の作品です。

もちろん、ゲームコンテンツでありメディアミックスを駆使しているとはいえいまだ人気の衰えていない作品であることは驚きです。

サブスクで過去作品が最新作と競合する時代

実際、2000年以降の作品はいまだに人気のものが多いのは特徴的です。2001年は『テニスの王子様』、2002年は『NARUTO』、2003年は『鋼の錬金術師』、2004年には『Fate/stay night』といった具合です。

もちろん、これらの作品に古さを感じないのは私がおじさんだからというのもあるでしょう。

しかし、高校生の間でも比較的よく見られている作品が多いというのは、少なくとも私が高校生のころとは大きく状況が異なっているのではないでしょうか。

こうした現象の原因は明らかに、サブスクリプションサービスの普及など、動画系アーカイブの充実でしょう。

2022年においては、個人の端末に最新の作品と過去作品が同時にどこででも視聴が可能な環境が実現しています。

これは、動画、ドラマ、アニメ、音楽、SNSという最新のコンテンツ同士が個人の時間の取り合いをしているというだけでなく、過去の膨大なコンテンツが、しかも名作と呼ばれる高いコンテンツ力を持つ怪物が、同じ土俵で戦っているということなのです。

あらゆる場面で起こる戦いの前哨戦

こうした、過去コンテンツとの戦いは私のような教員の業界においても始まっています。動画授業は過去の名授業者を再放送するだけで十分な価値があるからです。

おそらく、今後「1対多」で情報伝達をするあらゆる業種は、その時点でのライバル業者などだけでなく、アーカイブと戦うことになるでしょう。

これは多くの業種や業態に大きな影響を与えつつある現象であるとともに、抗えない時代の流れだと思います。

私の住む、教育業界はすでにその戦国時代に突入しました。あとは自分がどうこの波を乗り切っていくか、でしょう。