ボカロPとしての名義はハチ

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シュガーラッシュ・オンラインは動画配信者はなぜ見てないんだ!?

なぜ2020年も折り返しを過ぎた今になって、この映画の記事を書こうと思ったのかというと、この映画はやはりネットのリアルを詳細にモチーフ化している点が参考になるんですよ

公開当時は「ズートピア」の監督が贈る、ディズニー・アニメーション・スタジオ最新作!!と銘打っていましたね!
ディズニーがネットの裏側の世界を描く!(すごい予算かけてリサーチされています)

そこら辺の適当ならべている動画配信者よりも情報が信頼できるのが素晴らしいです

ぞんぶんにネタバレを含んでいます。まだ見ていない人はぜひTSUTAYAなどで借りられますので借りてみて下さい。PIXARにハズレなし!


シュガー・ラッシュ:オンライン』

邦題と現代は微妙に違って、主人公は女の子かなと一瞬思ってしまうが2人いるのでご注意頂きたい。前作をすでに見ておられる方はこの辺は読み飛ばしていただきもう少し下にスクロール。

原題:Ralph Breaks the Internet
製作年:2018年
製作国:アメリ
監督:リッチ・ムーア、フィル・ジョンストン
出演: ジョン・C・ライリー、サラ・シルバーマン、ガル・ガドットタラジ・P・ヘンソン、アラン・テュディック

 

今度の舞台は広大なインターネット!ここで繰り広げられる二人の冒険に目が離せない!?その話はもっと色々と書きたい人がいると思うので自分は印象に残ったシーンだけピックアップ。

 

2018年4月16日時点でネットの実名企業(有名企業)が多く登場!画像を少し見ただけでも10社近くありますね、みんな知っている企業ばかり、これは胸が高鳴ります。

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#dream

 

あらすじ

古びたゲーセンの機械の中に住む「住人達」ラルフとヴァネロペはひょんなことから自分たちの居場所を守るために旅に出ることに!?そこから新たな出会いと別れの物語は始まります。未知の旅へ、踏み出せるのか!?

 

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#princess

teenが夢見る偶像崇拝的イメージの崩壊も表現されている

 

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#迷子

ネットの世界で迷子になるのが私たちのリアルを再現しています

主役キャラは私たちの分身、現身であると考えると視点が増えて面白い

 

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#暴走 #巨大化

孤独を避けようと肥大化した不安、恐怖の集合体はまるで私たち自身がネット上の他者に向けた悪意のように、自制心を失い膨れ上がります

今回のメインテーマ①はこれです、この自制心や規律といったものが生活様式の転換期に差し掛かった今、個人に求められているのです

特にネットを自らの生業の場とするユーチューバーやインフルエンサー()にとってみればこれは必須の概念といえます。道徳心なくして成功無し。

憎悪に身を焼かれ膨れ上がったラルフの孤独な心はヴァネロペ(私たちの夢・目標)とインターネットを破壊しにかかります。彼は他者の成功を妬むあまり、自身の孤独な心を憎悪に支配されてしまいました。

 

あなたは、誰かを憎んでいませんか?妬んでいませんか?

 

感情は人・物の配置の中で生じ、ようやく輪郭が見えるようになります。ラルフとヴァネロペのようにお互いの関係に変化が起これば、感情の生じ方にも違いが生じます。

今、私たちが気軽に利用しているインターネット、今回は主にSNSを中心にすえて考えてみると、私たちの感情は非常に煽動的、つまりコントロールされやすい環境に身を置いていることになります。しかもそれが24時間いつでもアクセスが可能。スマホやパソコンさえあれば簡単に好きな感情を入手することが可能になりました。

ここでラルフが自分の憎悪により悪意の塊になった背景を考えてみると、ネットの負の部分である他者からの誹謗中傷にさらされてしまったことが一つの判断材料になります。通常、他者の感情にリテラシーをもっている人であれば、積極的にネガティブな評価を見るようなことはしません。現代のように感情負荷が少ない社会構造の中では、それは自制が利かなくなる可能性が高い危険な行為とみなされます。

ラルフの場合、ゲームセンターという均一的な安定した環境しかしらなかったのに、いざ冒険とインターネットの世界に繰り出したことで他者の悪意にふれてしまいました。それも自分を担ぎ上げる連中によって。彼が目にしたのは、文章によって自分に向けられた無機質な悪意、それ故に非常に温度の感じられない言葉が思考を蝕みました。

人間がリアルな生活をおくるとき、その感情の応需は他者の物理的な身体表現とあいまって理解されます。この文脈を、文章だけの評価が飛び交う世界ではうまく受け止めきれないことに問題が生じています。ある人はそれを批判とよび、ある人はそれを誹謗中傷とよびます。どちらが悪意ある表現か非常に判断が難しい場合が多いのですが、この映画では単純化されてラルフを襲いました。それが非常に怖いなと。

彼は自分を守るために、今の居心地のいい環境を守るために悪意に対して憎悪で応酬しようとします。

私たちは彼のように、他者を快く思わないことがありませんか?その感情がもし自分の中で膨れ上がったらどうなるのでしょうか、そんなことを彷彿とさせるシーンでした。彼は彼なりにヴァネロペに向けて色々な行動を方法を試すことで離れていく心をつなぎとめようとしたのです

結局、心の奥で育った憎悪は自分の身を焦がしてしまいます。これは炎上系インフルエンサーの心の奥底にある感情なのではないかなと、彼らを観察していて自然と頭に浮かんできた考えなので、ここでお伝えしたいと思います。

このあとの作品にも引き続き「出会いと別れ」が重要なテーマとして繰り返し登場することになります、トイストーリー4、アナ雪2などは典型的な傾向です

トリビア

昨年亡くなった、マーベルの生みの親であるスタン・リー氏が今作もスクリーンに登場していました。マーベル作品には必ずカメオ出演していた彼ですが、本作でも同じく一瞬だけスクリーンに登場します、見つけてみてください。(ベイマックスにも登場しているんですよ!)